「好きな人ができた」だけで離婚できる?後悔しないために考えるべきこと

好きな人ができただけで離婚

結婚しているけれど、ふとした瞬間に好きな人ができてしまった—そんな複雑な気持ちを抱えていませんか?

心は揺れ動き、今の結婚生活を続けるべきか、新しい恋に向かうべきか、答えが見つからない日々が続いているかもしれません。

好きな人ができたからといって、すぐに離婚という選択肢に飛びつくことは危険です。

離婚には様々なリスクや責任が伴います。

特に子どもがいる場合はなおさらです。

当記事では、好きな人ができて離婚を考えている方が直面する現実と、正しい判断をするために必要な知識をお伝えします。

苦しい選択を迫られている方に寄り添いながら、後悔しない決断ができるよう、具体的な事例も交えて解説していきます。

目次

結婚生活中に好きな人ができて離婚を考えている人が知るべきこと

結婚生活を送っているなかで、別の人に心惹かれてしまうことは珍しくありません。

仕事場の同僚や昔の友人など、ふとしたきっかけで好きな人ができて、現在の結婚生活を見つめ直すきっかけになることもあるでしょう。

しかし、感情だけで離婚という決断をすることは、後々大きな後悔を生む可能性があります。

好きな人ができて離婚を考えている方は、感情に流されず冷静な判断をするために、以下のポイントをしっかり考慮しましょう。

夫婦関係がすでに破綻していたかどうかを見極める

好きな人ができたからといって、すぐに離婚を考えるのは危険です。

まずは現在の夫婦関係が本当に修復不可能なほど破綻しているかどうかを冷静に見極める必要があります。

一時的な感情や気持ちの浮ついた状態で判断すると、離婚後に大きな後悔を招くことがあります

特に結婚生活が長い場合は、単調さやマンネリ感から新しい刺激を求めていることもあるでしょう。

もし夫婦の間でコミュニケーションがまだ取れているなら、カウンセリングや夫婦間での話し合いを通じて関係修復を試みてみることも大切です。

「好きな人ができた」という事実だけで離婚を決めると、新しい恋愛関係が上手くいかなかった場合に孤独を感じる可能性もあります。

夫婦関係の状態検討すべきこと
コミュニケーションがまだ取れる夫婦カウンセリングや話し合いを通じた関係修復
感情的な対立がある一定期間の別居や冷却期間を設ける
精神的、肉体的な暴力がある自身の安全を優先し、専門家に相談
完全に無関心状態離婚を視野に入れた具体的な準備

好きな人ができたという気持ちと、現在の結婚生活の問題点を切り分けて考えることが重要です。

世間からの冷たい視線や評価に耐えて生きる覚悟ができているか

「好きな人ができたから離婚した」というケースは、周囲からの評価が厳しくなる可能性があります。

友人や家族、職場の人間関係など、あらゆる場面で説明を求められたり、批判的な目で見られたりすることを覚悟しなければなりません。

特に浮気や不倫の末に離婚して再婚するケースでは、「次も同じことをするのでは」という不信感を持たれやすくなります

このような社会的な評価に耐える精神的な強さがあるかどうかも、離婚を決断する前に考慮すべき重要なポイントです。

また、実家や親族との関係も変化する可能性があります。

特に子どもがいる場合は、子どもの親族(祖父母など)との関係が複雑になることも考慮しましょう。

  • 職場での評判や信頼関係への影響
  • 親族や友人サークルでの立場の変化
  • 子どもの学校や保育園での対応
  • SNSなどでの情報拡散リスク
  • 将来の人間関係構築への影響

これらの社会的な影響に立ち向かう覚悟があるかどうかも、離婚を決断する前に冷静に考える必要があります。

離婚慰謝料を支払う経済力があるか

好きな人ができたことが原因で離婚する場合、法的には「有責配偶者」として離婚慰謝料を支払う必要があることが多いです。

特に不貞行為(肉体関係を伴う浮気)があった場合は、高額な慰謝料を請求される可能性があります。

好きな人ができて離婚を考える場合、慰謝料の支払いに加えて、財産分与や養育費など複数の経済的負担が生じることを理解しておきましょう

これらの支払いが長期にわたって続くことで、新しい生活や再婚後の家計にも大きな影響を与える可能性があります。

また、離婚訴訟になると弁護士費用などもかかるため、総合的な経済計画を立てておく必要があります。

経済的負担の種類一般的な金額の目安支払い期間
離婚慰謝料100万円〜500万円程度一括または分割
財産分与共有財産の半分程度一括または分割
養育費子ども1人あたり月3〜5万円程度子どもが成人するまで
弁護士費用30万円〜100万円程度手続き完了まで

これらの支出に対応できる経済力があるかどうかを事前に検討しておくことが大切です。

慰謝料の相場や支払い義務については、「離婚慰謝料の相場・算定基準」の記事が参考になるので、合わせてご覧ください。

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子どもがいる場合、子供と住めなる覚悟があるか

子どもがいる家庭で好きな人ができて離婚を考える場合、最も深刻な問題のひとつが親権の問題です。

日本では、離婚後の親権は原則として片方の親だけに与えられます。

特に不貞行為があった場合や、新しい恋愛関係が離婚の原因となった場合、子どもの親権を得ることが難しくなる傾向があります

子どもと離れて暮らすことになった場合の精神的な負担は想像以上に大きいものです。

また、子どもにとっても両親の離婚は大きな心の傷になり、特に親の不貞行為が原因の場合は複雑な感情を抱くことになります。

子どもの年齢によっては、離婚の理由を理解できず、自分のせいだと思い込んでしまうケースもあります。

  • 親権を失う可能性の高さ
  • 子どもとの日常的な接触の喪失
  • 子どもの成長や教育に関与できなくなるリスク
  • 子どもの心の傷と将来への影響
  • 子どもが成人した後の関係構築の難しさ

子どもとの関係を失うリスクを冷静に考慮し、それでも離婚を選択するかどうかを慎重に検討する必要があります。

親権養育費など、子どもに関する離婚の注意点についてはそれぞれの記事をご覧ください。

子どもと面会できなくても、養育費を負担し続けられるか

好きな人ができて離婚を選んだ場合でも、親としての責任は続きます。

特に親権を持たない親になった場合でも、養育費の支払い義務は離婚後も続くことを理解しておく必要があります。

養育費は子どもが成人するまで長期間にわたって支払い続ける必要があり、これは新しいパートナーとの生活や再婚後の家計にも影響します

また、面会交流(面接交渉)が制限されるケースもあります。

特に不貞行為が原因の離婚では、元配偶者が子どもとの面会を制限することも少なくありません。

子どもと会えない状況でも養育費を支払い続ける義務があることを認識し、その経済的、精神的負担に耐えられるかどうかを考慮する必要があります。

子どもの年齢一般的な養育費の目安(月額)支払い期間の目安
0〜5歳3〜5万円程度15〜20年間
6〜14歳4〜6万円程度5〜15年間
15〜18歳5〜7万円程度1〜4年間
大学生5〜10万円程度4年間程度

また、養育費の不払いは法的な制裁の対象となることがあり、将来的に給与差し押さえなどの強制執行を受ける可能性もあります。

子どもに対する責任を果たす覚悟があるかどうかも、離婚を決断する重要な判断材料になります。

リスクを理解した上で好きな人ができたことを理由に離婚を選ぶ場合

前章ではリスクや考慮すべき点について述べましたが、それらを十分に理解した上で離婚を選択するケースもあります。

好きな人ができたことをきっかけに離婚し、その後幸せな人生を歩んでいる人も少なくありません。

大切なのは、感情に流されるのではなく、すべてのリスクを理解した上で決断することです。

離婚後の人生設計も含めて、冷静に判断できるようになれば、後悔も少なくなるでしょう。

ここでは、好きな人ができて離婚した後、実際に再婚して幸せになったケースや起こりうる問題点について見ていきましょう。

新しい恋愛から長年続いた幸せな結婚生活の実例

好きな人ができて離婚したケースの中には、その後再婚して幸せな家庭を築いている例も少なくありません。

例えば、すでに夫婦関係が冷え切っていた40代女性のAさんは、仕事先で出会った男性に心惹かれ、1年間の葛藤の末に離婚を決意しました。

離婚前に十分な話し合いと準備期間を設けたことで、元夫との関係も悪化せず、子どもたちとの関係も維持することができました

再婚後10年以上が経った今でも、Aさん夫婦は良好な関係を続けています。

このケースの成功要因は、単なる一時的な感情ではなく、お互いの価値観や将来の展望をしっかり話し合ったことにあります。

また、離婚時に元配偶者への誠実な対応と、子どもへの配慮を怠らなかったことも大きいでしょう。

  • 再婚成功のポイント
  • 一時的な感情ではなく、価値観の一致を確認
  • 元配偶者との関係を極端に悪化させない配慮
  • 子どもがいる場合は子どもの気持ちを最優先
  • 経済的な問題を事前に解決
  • 周囲の理解を得るための時間的配慮

好きな人ができたことをきっかけに始まった関係でも、互いに尊重し合い、過去の経験から学ぶ姿勢があれば、長く幸せな関係を構築できる可能性があります。

再婚後にパートナーの不貞行為があっても夫婦関係が壊れなかった

好きな人ができて離婚し再婚したカップルの中には、その後の試練を乗り越えて関係を深めたケースもあります。

例えば、会社の同僚に好きな人ができて離婚、再婚したBさん夫婦は、再婚5年目に夫の浮気が発覚しました。

この危機に直面したとき、自分たちも同じような形で関係が始まったことを振り返り、関係修復のためのカウンセリングを受けることを選びました

過去の経験から、関係が壊れる原因と向き合い、コミュニケーションを深めることの重要性を学んでいたのです。

結果として、夫婦関係はむしろ以前より強固になり、現在は15年以上の結婚生活を送っています。

このケースから学べるのは、関係の始まり方よりも、問題に直面したときの対応の仕方が重要だということです。

危機のタイプ対応方法結果
パートナーの浮気カウンセリングを受ける関係の深化
価値観の相違徹底的な話し合い相互理解の促進
経済的困難共同での問題解決絆の強化
家族との軋轢境界線の明確化自立した関係の構築

好きな人ができて始まった関係では、お互いの過去の経験を踏まえた上で、より意識的な関係構築が可能になることもあります。

再婚相手が亡くなった後は遺産問題もある

好きな人ができて離婚し再婚したケースでは、将来的な遺産問題についても事前に考慮しておくことが重要です。

特に双方が前婚で子どもがいる場合、再婚相手が亡くなった後の遺産分割は複雑になりがちです。

再婚家庭で遺産問題を避けるためには、生前に遺言書を作成しておくことや、財産管理について夫婦間で明確に話し合っておくことが重要です

例えば、会社経営者だったCさんは、好きな人ができて離婚、再婚しましたが、再婚11年目に突然亡くなりました。

遺言書がなかったため、前妻との間の子どもと再婚相手の間で遺産を巡って争いが起こってしまいました。

こうした問題を避けるためには、再婚時点で将来起こりうるリスクについて話し合い、必要な法的対応をしておくことが大切です。

  • 再婚後の遺産問題を防ぐための準備
  • 明確な遺言書の作成
  • 生命保険の受取人指定の見直し
  • 共有財産と単独所有の財産の区別
  • 家族信託など法的手段の検討
  • 定期的な財産管理プランの見直し

好きな人ができて再婚する場合でも、感情面だけでなく法的、経済的側面にも目を向けることで、将来のトラブルを未然に防ぐことができます。

既婚者が好きな人ができて離婚する際は弁護士への相談がおすすめ

結婚生活中に好きな人ができ、離婚を考える場合、感情だけで判断するのではなく、法的な側面からも状況を整理することが重要です。

特に不貞行為や浮気絡みの離婚は、法律上の問題が複雑になりやすく、素人判断では後々トラブルになることもあります。

好きな人ができて離婚を考えている場合は、早い段階で弁護士に相談し、法的リスクを把握した上で行動することをおすすめします

弁護士に相談することで、離婚慰謝料や財産分与、養育費など、法的、金銭的な問題について専門的なアドバイスを受けられます。

また、離婚協議がスムーズに進まない場合の対応策や、子どもの親権問題についても、早めに専門家の意見を聞いておくことが後悔を防ぐポイントです。

  • 弁護士相談のメリット
  • 離婚条件の適切な設定
  • 法的リスクの事前把握
  • 子どもの親権問題への対策
  • 財産分与の適正な計算
  • 離婚後のトラブル防止策

弁護士への相談費用は1時間あたり5,000円~10,000円程度からが一般的です。

この費用は、後々の離婚トラブルを防ぐための保険と考えれば決して高くはありません。

特に好きな人ができて離婚するケースでは、相手方が感情的になりやすく、話し合いが難航するケースも多いため、専門家のサポートがあると心強いでしょう。

相談内容弁護士相談のメリット
離婚慰謝料適正な金額の算定と交渉方法のアドバイス
財産分与隠し財産の発見や公平な分割案の提示
養育費子どもの状況に合わせた適切な金額設定
親権、面会交流子どもの最善の利益を考慮した取り決め
離婚協議書法的に有効な書面の作成支援

好きな人ができたことをきっかけに離婚を考える場合でも、一時的な感情に流されず、将来を見据えた冷静な判断ができるよう、弁護士という専門家の力を借りることをぜひ検討してください。

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よくある質問

好きな人ができて離婚を考えている方から寄せられる質問とその回答をまとめました。

状況は人それぞれですが、参考にしていただければ幸いです。

よくある質問
  • 好きな人ができて離婚する場合、子どもがいると慰謝料はどう変わりますか?
  • 好きな人ができて離婚した後に後悔することはありますか?
  • 結婚中に妻以外に好きな人ができた場合、不貞行為なしでも離婚できますか?
  • 旦那に他に好きな人ができたと言われ離婚を切り出された時の対応を教えてください。
  • 好きな人ができたのは片思いの段階ですが、離婚は考えるべきですか?
  • 好きな人ができて離婚した夫婦の数年後の状況について教えてください。
  • 好きな人ができて離婚する際、別居中の慰謝料はどうなりますか?

好きな人ができて離婚する場合、子どもがいると慰謝料はどう変わりますか?

子どもがいる場合、基本的に慰謝料の金額自体は直接的には変わりませんが、養育費という別の経済的負担が発生します。

また、親権を失うことで精神的苦痛が増大したとして、相手方がより高額な慰謝料を請求してくるケースもあるでしょう。

好きな人ができて離婚した後に後悔することはありますか?

新しい恋愛感情だけで離婚を決断すると、その関係が長続きしなかった場合に後悔するケースが多いです。

特に子どもがいる場合、子どもとの関係が疎遠になることで深い後悔を感じる人もいます。

冷静な判断と将来の見通しが重要です。

結婚中に妻以外に好きな人ができた場合、不貞行為なしでも離婚できますか?

法律上は、相手の同意があれば理由を問わず離婚できます。

ただし、好きな人ができたという理由だけでは相手が同意しないことも多く、その場合は「婚姻を継続し難い重大な事由」の証明が必要になります。

不貞行為がなくても感情的な離婚協議になりやすいので注意が必要です。

旦那に他に好きな人ができたと言われ離婚を切り出された時の対応を教えてください。

まずは冷静さを保ち、感情的にならないようにしましょう。

その上で、今後の生活や子どもの問題、財産分与などについて具体的に話し合うことが大切です。

必要に応じて弁護士や専門家に相談し、自分の権利を守りながら対応を考えることをおすすめします。

好きな人ができたのは片思いの段階ですが、離婚は考えるべきですか?

片思いの段階で離婚を考えるのは時期尚早かもしれません。

まずは現在の結婚生活の問題点を見つめ直し、なぜ他の人に心が向いたのかを冷静に分析してみましょう。

カウンセリングなどの専門家に相談することで、自分の本当の気持ちが明確になるかもしれません。

好きな人ができて離婚した夫婦の数年後の状況について教えてください。

ケースバイケースですが、十分な準備と覚悟をもって離婚した場合は新しいパートナーとの生活が安定していることが多いです。

一方、衝動的に決断した場合は、新しい関係が長続きせず、元の家族との関係修復も難しくなるケースもあります。

離婚前の慎重な検討が将来を大きく左右します。

好きな人ができて離婚する際、別居中の慰謝料はどうなりますか?

別居中でも配偶者としての義務は継続しているため、好きな人との不貞行為があれば慰謝料の対象になります。

また、正当な理由なく生活費を支払わないなどの「婚姻費用の不払い」があった場合も、別途請求される可能性があります。

別居中も法的には夫婦関係が継続していることを忘れないようにしましょう。

まとめ

結婚生活中に好きな人ができることは珍しくありませんが、そのことだけを理由に離婚を決断するのは慎重に考える必要があります。

離婚には様々なリスクや責任が伴いますし、特に子どもがいる場合は親権問題や養育費の負担など、長期にわたって影響する問題が発生します。

一方で、十分な準備と覚悟を持って離婚し、新しいパートナーと幸せな関係を構築できたケースもあります。

重要なのは、一時的な感情に流されるのではなく、現在の結婚生活を客観的に見つめ直し、離婚後の生活も含めて現実的に考えることです。

また、法的な問題については早めに弁護士に相談し、適切なアドバイスを受けることで、後悔のない決断につながるでしょう。

どのような選択をするにしても、自分自身の人生と幸せを真剣に考え、責任ある行動をとることが大切です。

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