不貞行為の回数が慰謝料が与える影響|相場と判例を徹底解説

配偶者の不貞行為が発覚したとき、慰謝料の金額はどのように決まるのでしょうか。
特に気になるのが「不貞行為の回数」と慰謝料の関係ではないでしょうか。
1回だけの不貞と継続的な不貞では、請求できる慰謝料額に大きな差があります。
また、不貞行為の回数だけでなく、婚姻期間や子どもの有無なども慰謝料額を左右する重要な要素となります。
当記事では、不貞行為の回数に基づく慰謝料の相場や判例を詳しく解説していきます。
法律の専門知識がなくても理解できるよう、具体的な判例を交えながら分かりやすく説明します。
不貞行為による精神的苦痛に対する適切な補償を求めるための参考にしてください。
不貞行為の回数に基づく慰謝料額の判例
不貞行為が発覚したとき、多くの方が「相手にいくら請求できるのか」と考えます。
慰謝料の金額は不貞行為の回数によって大きく変わることがあります。
裁判所は不貞行為の頻度や継続期間を重視して慰謝料額を判断する傾向にあるのです。
不貞行為1回の場合の慰謝料
不貞行為が1回限りだった場合、通常の慰謝料相場は50万円〜150万円程度です。
裁判所は一度きりの過ちと継続的な不貞では、精神的苦痛の度合いが異なると判断します。
1回限りの不貞行為でも、その状況や態様によっては高額な慰謝料が認められることがあります。
例えば東京地裁の判例では、1回の不貞行為でも相手が既婚者と知りながら関係を持った場合、200万円の慰謝料が認められました。
また、不貞行為が1回でも妊娠や性感染症の罹患などの深刻な結果をもたらした場合は、より高額になる傾向があります。
判例 | 不貞行為の状況 | 認定された慰謝料額 |
---|---|---|
東京地裁令和3年判決 | 1回限りの関係 | 60万円 |
東京地裁平成30年判決 | 1回の宿泊を伴う不貞行為 | 90万円 |
東京地裁平成26年判決 | 1回の不貞で婚姻関係が破綻した事例 | 180万円 |
1回の不貞行為であっても、既婚者と知りながら関係を持ったか、またその後の態度などが慰謝料額に影響することが分かります。
不貞行為2回以上の場合の慰謝料
不貞行為が複数回あった場合、慰謝料の相場は200万円〜300万円程度に上昇します。
特に、不貞関係が長期間に渡って継続していた場合は、さらに高額になることが多いです。
不貞行為の回数が増えるほど、「一時の過ち」ではなく「計画的・継続的な背信行為」と判断される傾向があります。
東京高裁の判例では、約3か月間に5回の不貞行為があったケースで300万円の慰謝料が認められました。
また、不貞行為が10回以上あり、1年以上継続していたケースでは、400万円以上の高額な慰謝料が認められることもあります。
判例 | 不貞行為の状況 | 認定された慰謝料額 |
---|---|---|
東京地裁平成27年判決 | 示談後にも不倫関係を継続 | 150万円 |
東京地裁平成22年判決 | 裁判上の和解後も不倫関係を継続 | 250万円 |
東京地裁平成22年判決 | 不倫相手との子を2度にわたり中絶 | 400万円 |
裁判所は単に回数だけでなく、不貞行為の期間や頻度、隠ぺい工作の有無なども考慮して慰謝料額を決定します。
特に不貞相手が反省の態度を見せず、不貞行為後も関係を継続しようとした場合は、慰謝料額が増額されるケースもあります。
なお、不貞行為の証拠が明確で、回数も特定できる場合は、交渉や調停の段階でも有利に進められることが多いでしょう。
不貞行為における慰謝料の相場とは?
不貞行為による慰謝料の相場は、一般的に100万円〜300万円程度といわれています。
ただし、この金額は不貞行為の態様や期間、当事者の年収などによって大きく変動します。
裁判所は個別の事情を総合的に考慮して慰謝料額を決定するため、相場はあくまで目安に過ぎません。
高額な慰謝料が認められた具体的な判例
不貞行為において500万円以上の高額な慰謝料が認められるケースもあります。
こうした高額慰謝料が認められる事案には、いくつかの共通点があります。
特に悪質な不貞行為や、配偶者に与えた精神的苦痛が極めて大きい場合は高額な慰謝料が認められやすいです。
例えば、東京地裁の判例では、10年以上続いた婚姻関係で3人の子どもがいる夫婦のケースで、夫の不貞行為により離婚に至った事案において、550万円の慰謝料が認められました。
大阪高裁では、不貞行為が複数回あり、さらに不貞相手が謝罪せず態度が悪かったことから、600万円という高額な慰謝料が認定されています。
判例 | 特徴的な事情 | 認定された慰謝料額 |
---|---|---|
浦和地裁昭和60年判決 | 長期にわたる不貞行為 | 500万円 |
岡山地裁平成16年判決 | 長期の不倫で子どもが生まれた、深刻な精神的苦痛 | 1000万円 |
東京高裁昭和62年判決 | 夫の不貞が原因の別居後、40年妻に経済支援も無し | 1500万円 |
特に注目すべきは、不貞相手の態度が悪い場合や、不貞行為の結果として子どもが生まれた場合など、より深刻な結果を伴うケースでは慰謝料が高額化する傾向があります。
低額な慰謝料が認められた具体的な判例
反対に、慰謝料が相場よりも低く抑えられるケースもあります。
不貞行為が短期間で終わった場合や、婚姻関係がすでに破綻していた場合は慰謝料が低くなる傾向にあります。
婚姻関係がすでに実質的に破綻していた場合、不貞行為による精神的苦痛は小さいと判断されることが多いです。
例えば東京地裁の判例では、夫婦間で別居が続いており実質的に婚姻関係が破綻していた状態での不貞行為について、30万円という低額な慰謝料が認められました。
また、不貞行為が1回限りであり、その後すぐに関係を解消し真摯に謝罪した事例では50万円の慰謝料にとどまっています。
判例 | 特徴的な事情 | 認定された慰謝料額 |
---|---|---|
東京地裁平成28年判決 | 不貞期間が短い | 50万円 |
このように、不貞行為があっても全ての事案で高額な慰謝料が認められるわけではありません。
婚姻関係の実態や不貞行為の態様、当事者の対応など、様々な要素が慰謝料額に影響します。
慰謝料請求を検討する際は、自分のケースがどのような事情に当てはまるのかを冷静に分析することが大切です。

不貞行為に基づく慰謝料の算定要素
不貞行為による慰謝料の金額は、単に「何回あったか」だけでは決まりません。
裁判所は様々な要素を総合的に考慮して、適切な慰謝料額を算定しています。
不貞行為の回数だけでなく、以下のような要素が慰謝料額に大きく影響するのです。
離婚の有無による影響
不貞行為が原因で離婚に至った場合、慰謝料は通常高くなります。
裁判所は婚姻関係が破綻したことによる精神的苦痛も考慮するためです。
不貞行為により離婚した場合、一般的に慰謝料額は50〜100万円程度上乗せされる傾向があります。
例えば、不貞行為自体では200万円程度の慰謝料案件でも、離婚に至った場合は300万円前後になることがあります。
また、離婚せずに婚姻関係を修復できた場合は、精神的苦痛が相対的に小さいと判断され、慰謝料額が抑えられることもあります。
特に離婚した場合は、不貞行為による慰謝料と離婚に伴う慰謝料を区別せず、一括して請求することが一般的です。
婚姻期間の長さ
婚姻期間が長いカップルほど、不貞行為による慰謝料は高額になる傾向があります。
長年にわたり築いてきた信頼関係が裏切られた精神的ダメージが考慮されるためです。
10年以上続いた婚姻関係での不貞行為は、特に裁判所から重く見られやすく、慰謝料が増額される要因となります。
一方、婚姻期間が短い場合(1〜3年程度)は、比較的低額な慰謝料にとどまることが多いでしょう。
婚姻期間が慰謝料に影響した判例
東京地裁の判例では、15年間の婚姻関係があった夫婦のケースで、不貞行為による慰謝料が400万円認められました。
対照的に、結婚2年目で不貞行為が発覚したケースでは、同様の不貞行為でも150万円の慰謝料にとどまっています。
このような判断の背景には、長期間の婚姻関係ほど夫婦の信頼関係や生活基盤が深く築かれているため、その破壊による精神的苦痛が大きいという考え方があります。
婚姻期間 | 不貞行為の状況 | 認められた慰謝料 |
---|---|---|
15年 | 数回の不貞行為 | 400万円 |
10年 | 約半年の不貞関係 | 300万円 |
2年 | 同程度の不貞行為 | 150万円 |
不貞行為者の反省態度
不貞行為発覚後の態度も、慰謝料額に大きく影響します。
誠実に謝罪し、反省の態度を示す場合と、開き直る場合では慰謝料額が変わってきます。
不貞行為者が反省せず、むしろ開き直ったり居直ったりする態度を取ると、慰謝料が増額されるケースが多いです。
特に不貞相手が「既婚者と知らなかった」と嘘をついたり、証拠隠滅を図ったりした場合は悪質性が高いとみなされます。
反対に、すぐに関係を解消し、真摯に謝罪した場合は、慰謝料が低く抑えられることもあります。
反省がないことで慰謝料が増額された判例
大阪地裁の判例では、不貞行為が発覚後も関係を続け、さらに「慰謝料を払う必要はない」と主張した不貞相手に対して、350万円という高額な慰謝料が認められました。
一方、東京地裁の事例では、同程度の不貞行為でも、発覚後すぐに関係を解消し謝罪した不貞相手に対しては200万円の慰謝料にとどまっています。
裁判所は当事者の態度を「悪質性」の判断要素として重視しており、誠実な対応が慰謝料額の軽減につながる可能性があります。
不貞行為後の態度 | 慰謝料への影響 | 具体例 |
---|---|---|
開き直り・居直り | 増額要因 | +50〜100万円 |
謝罪なし・無視 | 若干の増額要因 | +30〜50万円 |
誠実な謝罪と反省 | 減額要因 | -30〜50万円 |
子どもがいるかどうか
夫婦に子どもがいる場合、特に未成熟子(経済的に自立していない子ども)がいる場合は慰謝料が高くなる傾向があります。
不貞行為により家庭環境が破壊されることで、子どもも精神的な苦痛を受けると考えられるためです。
子どもがいる家庭での不貞行為は、家族全体の生活基盤を揺るがす行為として重く評価されます。
特に小さな子どもがいる場合や、不貞行為が原因で親権争いに発展したケースでは、慰謝料が増額されやすいでしょう。

未成熟子の存在で慰謝料が増額された判例
東京高裁の判例では、3人の未成熟子がいる家庭での不貞行為について、「子どもの健全な成長環境を損なった」として500万円の高額慰謝料が認められました。
また、不貞行為が原因で離婚となり、子どもが不登校になったケースでは、子どもへの悪影響も考慮して慰謝料が増額されています。
裁判所は家族全体への影響を重視し、特に子どもの福祉を害する行為には厳しい判断を下す傾向があります。
子どもの状況 | 慰謝料への影響 |
---|---|
未成熟子が複数人 | 大幅な増額要因 |
未成熟子が1人 | 増額要因 |
成人した子のみ | ケースによる |
子どもなし | 基本的な相場どおり |
不貞行為者の収入状況
不貞行為者の経済状況も慰謝料額に影響します。
一般的に、収入が高い人ほど高額な慰謝料を命じられる傾向があります。
裁判所は、支払い能力に応じた負担を課すことで公平性を図ろうとします。
例えば、年収1,000万円以上の高所得者の不貞行為と、年収300万円程度の人の不貞行為では、同じ態様でも前者の方が高額な慰謝料を命じられることがあります。
ただし、収入状況はあくまで考慮要素の一つであり、これだけで慰謝料額が決まるわけではありません。
なお、収入が低いからといって慰謝料を免れることはできず、分割払いなどの方法で支払いを命じられることが一般的です。
不貞行為者の年収 | 不貞行為者の年収 |
---|---|
1,000万円以上 | 増額要因 |
500〜1,000万円 | 標準的な相場 |
500万円未満 | 若干の減額要因 |
これらの要素は個別に作用するだけでなく、複合的に評価されます。
例えば、「長期間の婚姻関係があり、子どもがいて、不貞行為者の態度が悪い」というケースでは、それぞれの要素が相乗的に作用して高額な慰謝料につながることがあります。

不貞行為発覚後の夫婦関係と慰謝料の変動
不貞行為が発覚した後、夫婦がどのような選択をするかによっても慰謝料額は変わってきます。
離婚を選ぶか、関係修復を試みるかで、請求できる慰謝料の金額や交渉の進め方が異なるのです。
不貞行為の回数だけでなく、発覚後の対応も重要な要素になります。
離婚・別居した際の慰謝料額
不貞行為が原因で離婚に至った場合、慰謝料額は通常高くなります。
この場合、「不貞行為自体による精神的苦痛」と「離婚に伴う精神的苦痛」が合わさるためです。
離婚に至った不貞行為の慰謝料相場は、同じ行為でも離婚しない場合より50〜100万円程度高くなる傾向があります。
例えば、不貞行為自体では150万円程度の慰謝料相場が、離婚に至った場合は250万円前後になることもあるでしょう。
また、別居中の場合も、将来的な離婚の可能性が高いと判断されれば、離婚に準じた高額な慰謝料が認められることがあります。
離婚調停や裁判では、不貞行為による慰謝料と離婚に伴う慰謝料を区別せず、一括して請求することが一般的です。
不貞行為の状況 | 離婚なし | 離婚あり |
---|---|---|
1回限りの不貞行為 | 50〜150万円 | 100〜200万円 |
複数回の不貞関係 | 150〜250万円 | 200〜350万円 |
長期的な不貞関係 | 200〜300万円 | 300〜500万円 |
離婚や別居を選ばなかった場合の慰謝料
不貞行為があっても離婚せず関係修復を選んだ場合、慰謝料は比較的低めになることが多いです。
裁判所は「婚姻関係が継続している」ことを考慮し、精神的苦痛が限定的だと判断する傾向があります。
関係修復を選んだ場合でも、不貞行為による精神的苦痛に対する適切な賠償を受ける権利は残ります。
実際の相場は、不貞行為の回数や期間によって異なりますが、離婚する場合と比べて7割程度の金額になることが多いようです。
また、夫婦間で和解した場合でも、不貞相手に対する慰謝料請求権は残ります。
例えば東京地裁の判例では、夫婦が和解して婚姻を継続したケースでも、不貞相手に対して100万円の慰謝料が認められています。
ケース | 特徴 | 慰謝料相場 |
---|---|---|
関係修復・婚姻継続 | 不貞相手への請求は可能 | 基本相場の7割程度 |
一時的に別居後に復縁 | 別居期間も考慮 | 基本相場の8割程度 |
形式的に婚姻継続 | 実質的な夫婦関係なし | 離婚に準じた金額 |
不貞行為の回数と慰謝料額は密接に関係しますが、発覚後の関係性によっても大きく変わることを覚えておきましょう。
離婚を選ぶと慰謝料は高くなりますが、関係修復を選んだ場合でも適切な賠償を求める権利はあります。
どのような選択をするにせよ、法律の専門家に相談して、自分のケースに最適な対応を検討することをおすすめします。
不貞行為がなくても慰謝料請求が認められるケース
法律上の「不貞行為」は、一般的に性的関係を持った場合を指します。
しかし、実際の性的関係がなくても、一定の親密な行為があれば慰謝料請求が認められることがあります。
特に婚姻関係に深刻な影響を与えるような行為は、「不貞行為に準じる行為」として裁判所が判断するケースが増えています。
キス行為があった場合
性交渉はなくても、キスなどの親密な身体的接触があった場合、慰謝料請求が認められることがあります。
裁判所はこうした行為も「配偶者の貞操権を侵害する行為」と判断する傾向にあります。
キスや抱擁など性的関係には至らない身体的接触でも、その回数や状況によっては30〜100万円程度の慰謝料が認められることがあります。
例えば東京地裁の判例では、ホテルでの密会は証明されたものの性的関係は証明できなかったケースで、キスや抱擁があったことを理由に80万円の慰謝料が認められました。
また、複数回のキス行為や密会が継続的に行われていた場合は、より高額な慰謝料が認められることもあります。
ただし、単なる挨拶としてのキス(頬へのキスなど)や、社交的な場での接触は通常慰謝料の対象とはなりません。
行為の内容 | 認められた慰謝料の例 |
---|---|
ホテルでの密会とキス行為 | 80万円 |
継続的な密会とキス(複数回) | 100万円 |
社交的な場での単発的なキス | 通常は認められない |

プレゼントを贈った場合
高額なプレゼントの授受や金銭的支援が行われた場合も、不貞行為に準じる行為として慰謝料が認められることがあります。
特に、夫婦の共有財産から高額な金品を贈った場合は重視されます。
高額なプレゼントや金銭の授受は、親密な関係性の証拠として扱われ、慰謝料の認定につながることがあります。
例えば、大阪地裁の判例では、既婚男性が独身女性に対して数十万円のブランド品を複数回贈り、親密なメッセージのやり取りがあったケースで、50万円の慰謝料が認められました。
ただし、単なる業務上の付き合いや友人関係での一般的な贈り物であれば、慰謝料の対象とはなりにくいでしょう。
親密な関係を示す他の証拠(頻繁なメールやLINE、デートなど)と組み合わさることで、より強い証拠となります。
プレゼントの状況 | 慰謝料への影響 |
---|---|
高額なプレゼントの繰り返し | 親密な関係の証拠として評価 |
家族共有の財産からの贈与 | 賠償額増加の要因になりうる |
業務上の通常の贈答品 | 通常は慰謝料の根拠とならない |
メールやLINEでのやり取りがあった場合
親密な内容のメールやLINEのやり取りも、状況によっては慰謝料請求の根拠になることがあります。
特に恋愛感情を明確に表現するメッセージや、性的な内容を含むやり取りは重視されます。
頻繁なメッセージのやり取りや、「愛している」などの恋愛表現を含むメッセージは、親密な関係の証拠として認められることがあります。
例えば東京地裁の判例では、既婚者同士が1日に何十回もLINEでやり取りし、恋愛感情を表現するメッセージを交換していたケースで、実際の不貞行為の証拠がなくても50万円の慰謝料が認められました。
特に「会いたい」「好きだ」などの恋愛感情を表すメッセージや、デートの約束、秘密の会話などは、親密な関係を示す強い証拠となります。
ただし、単なる友人としてのやり取りや業務連絡の場合は、通常慰謝料の対象とはなりません。
メッセージの内容 | 慰謝料請求の可能性 |
---|---|
明確な恋愛表現を含むメッセージ | 高い |
頻繁なプライベートなやり取り | 状況による |
性的な内容を含むメッセージ | 非常に高い |
業務上の一般的な連絡 | 低い |
これらのケースでは、実際の性的関係がなくても「婚姻関係を侵害する行為」として、一定の慰謝料が認められる可能性があります。
ただし、性的関係があった場合と比べると、一般的に認められる慰謝料の金額は低くなる傾向にあります。
実際の不貞行為の証拠がなくても、これらの行為が複合的に行われていた場合は、かなりの確率で慰謝料請求が認められるでしょう。

慰謝料問題は弁護士への相談がおすすめ
不貞行為による慰謝料請求は、法律の専門的な知識が必要となる複雑な問題です。
特に不貞行為の回数に基づく適切な慰謝料額の算定や証拠の収集方法は、素人には判断が難しいでしょう。
早い段階で弁護士に相談することで、より有利な解決につながる可能性が高まります。
弁護士は不貞行為の証拠収集から慰謝料の交渉、裁判手続きまで一貫してサポートしてくれます。
特に「不貞行為が何回あったか」を証明するための証拠収集は、法的に適切な方法で行わなければ後の裁判で使えなくなる恐れもあります。
例えば、勝手に配偶者のスマートフォンを見たり、個人情報を無断で調査したりすると、プライバシー侵害で逆に訴えられる可能性もあるのです。
弁護士に相談することで得られる主なメリットは以下のとおりです。
- 法的に適切な証拠収集の方法を指導してもらえる
- あなたのケースに最適な慰謝料の金額を算定できる
- 不貞相手や配偶者との交渉を代行してもらえる
- 必要に応じて調停や裁判の手続きをサポートしてもらえる
- 精神的な負担を軽減できる
特に弁護士が間に入ることで、感情的になりがちな当事者間の話し合いを冷静に進められるというメリットは大きいでしょう。
不貞相手に対しては、弁護士名での「内容証明郵便」を送付することで、より真剣に対応してもらえる可能性が高まります。
弁護士費用は一般的に着手金と成功報酬の組み合わせで、着手金は20〜30万円程度、成功報酬は獲得した慰謝料の10〜20%程度が相場です。
初回相談は無料の事務所も多いので、まずは専門家に状況を説明して、適切なアドバイスを受けることをおすすめします。
また、弁護士選びの際は離婚問題や不貞問題に強い弁護士を選ぶことが重要です。
不貞行為の回数に基づく慰謝料の算定は判例も多く、専門性の高い分野なので、経験豊富な弁護士に相談することで適切な解決につながりやすくなります。

よくある質問
不貞行為の回数と慰謝料に関して、よく寄せられる質問とその回答をまとめました。
具体的なケースによって状況は異なりますが、一般的な目安として参考にしてください。
- 不貞行為の回数の数え方はどのように判断されますか?
- 不貞行為が1回だけでも慰謝料請求はできますか?
- 不貞行為3回と5回では慰謝料の相場に違いがありますか?
- 不貞行為の証拠がLINEのみの場合、慰謝料請求はできますか?
- 不貞行為の悪質性とは何を指すのか教えてください。
- 不貞行為1回の場合の慰謝料判例を教えてください。
- 不貞行為を理由に離婚する場合、慰謝料の相場はどれくらいですか?
- 配偶者の不貞行為を知らなかった期間が長い場合、慰謝料に影響しますか?
- 不貞行為による慰謝料で500万円以上認められた例はありますか?
まとめ
不貞行為の回数は慰謝料額に大きく影響しますが、それだけでなく様々な要素が総合的に考慮されます。
1回限りの不貞行為なら50万円〜150万円、複数回の場合は200万円〜300万円、長期間の継続的な関係では300万円以上が一般的な相場です。
婚姻期間の長さ、子どもの有無、不貞行為者の反省態度、収入状況などによっても慰謝料額は変動します。
離婚に至った場合は慰謝料が増額され、実際の性的関係がなくても親密なメッセージやキス行為などで慰謝料が認められることもあります。
不貞行為による慰謝料請求は法的に複雑な問題なので、証拠収集や請求額の算定、交渉など、できるだけ早い段階で弁護士に相談することをおすすめします。