離婚調停中に絶対NG!やってはいけない8つの行動とは?

離婚調停中に「これをやってしまった」と後悔する方は少なくありません。
感情的になってつい言ってしまった一言や、相手への復讐心から取った行動が、結果的に自分の首を絞めることもあるのです。
離婚調停中にやってはいけないことを知らずに行動してしまうと、財産分与や親権、養育費などの条件で不利な立場に追い込まれる可能性があります。
特に初めて離婚調停を経験する方は、どう振る舞えばよいのか分からず不安を抱えているのではないでしょうか。
この記事では、離婚調停中にやってはいけないことと、有利な結果を得るためのポイントについて詳しく解説していきます。
離婚調停の流れや注意点を理解することで、精神的な負担を軽減しながら最適な解決策を見つけることができます。
離婚調停中に避けるべき8つの行動とは?
離婚調停中は感情的になりがちで、つい後悔するような言動をしてしまうことがあります。
一時の感情に任せた行動が、財産分与や親権、養育費などの条件で自分を不利な立場に追い込む可能性があるのです。
ここからは離婚調停中に特に避けるべき8つの行動について詳しく見ていきましょう。
これらのポイントを事前に知っておくことで、離婚調停を有利に進められる可能性が高まります。
配偶者以外の異性との交際や関係を持つ
離婚調停中に新たな恋愛関係を始めることは、多くの場合で不利に働きます。
たとえ離婚を決意していても、法的には婚姻関係が継続している状態です。
この段階で不貞行為とみなされる恋愛関係を持つと、離婚の原因を作った側として不利な条件を飲まざるを得なくなる可能性があります。
特に財産分与や慰謝料、親権問題において相手側から「不貞」を理由に主張されると、調停委員からの印象も悪くなりがちです。
SNSでの投稿や友人との会話も、証拠として提出される可能性があるため注意が必要でしょう。
新しい関係を築きたい気持ちは理解できますが、離婚が成立するまでは我慢するのが得策です。

自分に不利になる発言や行動をする
離婚調停中は感情的になりやすく、つい相手を責める言葉や自分の過ちを認める発言をしてしまうことがあります。
しかし、このような発言は後々証拠として使われる可能性があるのです。
特にメールやLINEなどの文字として残る媒体での発言は、そのまま調停の場で証拠として提出されることがあります。
「養育費は払わなくていい」「財産は要らない」といった一時の感情での発言が、実際の条件決定に影響することも少なくありません。
また、相手との会話を無断で録音されていることもあるため、対面での会話でも注意が必要です。
どうしても話し合いが必要な場合は、弁護士を通じてやり取りするなど、感情的にならない環境を整えることをおすすめします。
相手に直接に連絡を取る
離婚調停中に相手と直接連絡を取ることは、トラブルの原因になりやすいです。
特に関係が悪化している場合、会話が感情的になりがちで、互いに冷静な判断ができなくなります。
離婚調停中のやり取りは基本的に弁護士や調停委員を通して行うことで、感情的な対立を避け、客観的な話し合いが可能になります。
もし子どもがいる場合は、子どもに関する必要最低限の連絡(学校行事や体調など)に限り、事務的にやり取りするのがよいでしょう。
そのような場合も、メールやLINEなど記録に残る方法を選び、感情的な内容は避けることが大切です。
電話での会話は言った・言わないの水掛け論になりやすいため、できるだけ避けるのが無難です。
相手への嫌がらせ行為を行う
離婚調停中は感情が高ぶり、相手への怒りから嫌がらせ行為に走ってしまうケースがあります。
しかし、このような行為は離婚調停において自分の立場を著しく悪化させます。
嫌がらせ行為は調停委員の心証を悪くするだけでなく、場合によっては法的責任を問われることもあります。
特に以下のような行為は絶対に避けるべきです。
- SNSでの誹謗中傷
- 職場への執拗な連絡
- 実家や友人への接触
- 相手の持ち物の破壊や隠匿
- 無断で個人情報を公開する行為
一時の感情で取った行動が、慰謝料の発生や親権判断に悪影響を与える可能性があることを覚えておきましょう。

離婚調停の期日に欠席する
離婚調停の期日に正当な理由なく欠席することは、あなたの姿勢を疑われる原因になります。
調停委員や裁判官からは「離婚問題を真剣に考えていない」という印象を与えかねません。
特に何の連絡もなく欠席した場合、調停不成立となり、次のステップである裁判へと進む可能性が高まります。
やむを得ず欠席する必要がある場合は、必ず事前に裁判所に連絡し、日程の変更を申し出ましょう。
病気や仕事の都合などで欠席する場合は、診断書や会社からの証明書など、理由を証明できる書類を提出するとよいでしょう。
また、弁護士に依頼している場合は、代理人として出席してもらえる場合もあるため、相談することをおすすめします。
合意なしに別居を開始する
離婚調停中に一方的に家を出て別居を始めることは、状況によって不利に働く可能性があります。
特に子どもがいる家庭では、「子どもを捨てた」という印象を与え、親権争いで不利になることがあります。
別居する場合は、事前に弁護士に相談し、書面で別居の理由や家賃・生活費の負担などについて取り決めをしておくことが重要です。
また、配偶者からのDVがある場合など、安全確保のために緊急に別居が必要なケースでは、警察や配偶者暴力相談支援センターに相談し、証拠を残しておくことが大切です。
住居を出る際は、重要書類(戸籍謄本、婚姻届の写し、預金通帳など)を忘れずに持ち出しましょう。
別居後も子どもと定期的に会うなど、親としての責任を果たす姿勢を示すことが、親権や面会交流の判断にプラスに働きます。
一方的に子どもを連れ去る
離婚調停中に配偶者に相談せず子どもを連れて家を出ることは、法的にも道義的にも問題がある行為です。
一方的な連れ去りは「監護権の侵害」とみなされ、裁判所から否定的に評価される可能性があります。
たとえ善意からの行動でも、もう一方の親の同意なく子どもを遠方に連れていくことは、調停での親権判断に悪影響を及ぼす恐れがあります。
特に海外への連れ出しは、ハーグ条約に基づく「国際的な子の奪取」に該当する可能性があり、深刻な法的問題に発展するケースもあります。
子どもの安全を守るためにDV等から避難する必要がある場合は、まず弁護士や支援センターに相談し、適切な手続きを踏むことが重要です。
どうしても別居が必要な場合は、相手に子どもとの面会交流の機会を保証するなど、両親の関係を維持する努力を示すことが大切です。
財産を勝手に処分したり隠したりする
離婚調停中に共有財産を無断で処分したり、隠したりすることは、調停での信頼を大きく損なう行為です。
婚姻中に形成された財産は、基本的に夫婦の共有財産とみなされます。
一方的に預金を引き出したり、不動産や車などの高額資産を売却したりすると、「財産隠し」として認定され、後の分与で不利になる可能性があります。
財産を隠した場合、後に発覚すると調停委員や裁判官からの印象が悪くなるだけでなく、追加の慰謝料を請求される恐れもあります。
離婚調停が始まったら、まずは夫婦の財産目録を作成し、相手と共有することが望ましいでしょう。
生活費など必要経費以外の大きな支出が必要な場合は、事前に相手に相談するか、弁護士を通じて正式に伝えるようにしましょう。

離婚調停で有利な結果を得るためのポイント
離婚調停では避けるべき行動を知るだけでなく、積極的に取るべき行動を理解することも大切です。
調停の場で自分の主張を効果的に伝え、有利な条件で合意を目指すためのポイントを見ていきましょう。
これらのポイントを押さえることで、調停における交渉力を高めることができます。
調停委員との良好な関係を構築する
離婚調停では、調停委員の印象があなたの交渉に大きく影響します。
調停委員は中立的な立場から話し合いを進行しますが、人間である以上、感情や印象が判断に影響することは避けられません。
礼儀正しく落ち着いた態度で臨み、感情的にならずに自分の意見を論理的に伝えることが、調停委員との良好な関係構築につながります。
具体的には以下のような点に気をつけましょう。
- 時間厳守で調停に臨む
- 丁寧な言葉遣いを心がける
- 相手の発言を遮らない
- 調停委員の質問には正直に答える
- 感情的にならず、事実に基づいた発言をする
第三者の目から見て「この人と一緒に話し合いを進めたい」と思ってもらえる姿勢が、調停を有利に進める第一歩です。
調停で質問されることを事前に把握する
離婚調停では、調停委員から様々な質問を受けることになります。
事前に想定される質問を把握し、答えを準備しておくことで、落ち着いて対応できるようになります。
特に離婚原因、財産状況、子どもに関する考えなど、重要なテーマについては具体的かつ簡潔に答えられるよう準備しておきましょう。
一般的に調停では以下のような質問がよく聞かれます。
カテゴリー | よくある質問例 |
---|---|
離婚原因 | ・いつから夫婦関係に問題が生じたか ・具体的にどのような出来事があったか ・修復の可能性はあるか |
財産関係 | ・夫婦の収入はそれぞれいくらか ・共有財産はどのくらいあるか ・借金はあるか |
子どもに関して | ・子どもの年齢や状況 ・親権についてどう考えているか ・面会交流をどうしたいか |
今後の生活 | ・離婚後の住居はどうするか ・仕事や収入の見通し ・子どもの養育環境 |
これらの質問に対して、感情的にならず事実に基づいた回答ができるよう、メモを作成しておくとよいでしょう。
詳細な陳述書を準備して提出する
陳述書は離婚調停において、あなたの主張を文書で伝える重要な書類です。
調停委員や相手方に自分の状況や要望を正確に伝えるため、事前にしっかり準備しておくことが大切です。
陳述書は日付や場所など具体的な事実を時系列で整理し、感情的な表現を避けて客観的に書くことで説得力が増します。
効果的な陳述書を作成するポイントは以下の通りです。
- 事実と意見を明確に区別する
- 時系列で出来事を整理する
- 具体的なエピソードを挙げる
- 誇張や推測を避け、事実に基づいて記述する
- 読みやすく整理された文書にする
陳述書は弁護士のサポートを受けながら作成するのが理想的ですが、自分で作成する場合も上記のポイントを押さえておきましょう。
具体的な証拠やエピソードを用意する
離婚調停では「言った・言わない」の水掛け論にならないよう、具体的な証拠を用意することが重要です。
特に不貞行為やDV、モラハラなどを主張する場合は、それを裏付ける証拠が必要になります。
メール、LINE、SNSのスクリーンショット、診断書、録音データなど、客観的に事実を証明できる資料を整理して提出することで、あなたの主張の信頼性が高まります。
効果的な証拠の集め方としては以下のようなものがあります。
- 日記をつけて日々の出来事を記録する
- 重要な会話はメールやLINEなど文字で残るツールを使う
- DV被害があれば医師の診断書を取得する
- 目撃者がいる場合は証言を得る
- 財産関係の書類(通帳、不動産登記など)をコピーしておく
証拠集めを行う際は、盗聴や無断撮影など違法な方法で証拠を集めないよう注意してください。
違法な手段で得た証拠は調停で採用されないばかりか、あなた自身が法的責任を問われる可能性があります。
譲れる条件と譲れない条件を明確にする
離婚調停は基本的に互いの妥協点を見つける場です。
すべての条件で100%自分の要求を通すことは難しいため、事前に譲れる条件と譲れない条件を整理しておくことが大切です。
優先順位を明確にして臨むことで、重要な条件については粘り強く交渉し、それほど重要でない条件では柔軟に対応するという戦略的な調停が可能になります。
例えば、以下のように条件を分類しておくとよいでしょう。
優先度 | 内容例 |
---|---|
最優先(絶対譲れない) | ・子どもの親権 ・DVからの安全確保 ・生活の基盤となる財産 |
重要(できれば譲りたくない) | ・面会交流の頻度 ・住居の使用権 ・特定の思い入れのある財産 |
交渉可能(譲っても良い) | ・細かい家財道具の分配 ・思い入れの少ない財産 ・離婚の時期 |
この優先順位は弁護士と相談しながら決めると、より現実的な戦略を立てられます。
最終的には「完全勝利」ではなく「納得できる解決」を目指すことが、精神的にも経済的にも負担の少ない離婚につながります。
離婚調停における弁護士依頼のメリット
離婚調停は法律的な知識や交渉術が問われる場面です。
多くの方が「費用がかかる」という理由で弁護士依頼を躊躇しますが、実際には弁護士に依頼することで様々なメリットがあります。
弁護士は法的知識を持って交渉を代行し、感情に左右されない冷静な判断で最適な条件を引き出してくれます。
具体的なメリットは以下の通りです。
- 専門的な法律知識に基づいたアドバイスが受けられる
- 感情的にならず冷静な対応ができる
- 交渉のプロとして有利な条件を引き出せる
- 直接対面せずに調停を進められる心理的安心感
- 書類作成の負担が軽減される
特に相手方が既に弁護士を立てている場合や、DVやモラハラなど深刻な問題がある場合は、弁護士の力を借りることで精神的な負担を大きく減らすことができます。
弁護士の粘り強い交渉により、公平な条件で離婚が成立したケース
弁護士依頼の具体的なメリットを示すために、実際のケースをご紹介します。
Aさん(35歳女性)は10年間の結婚生活の後、夫のモラハラを理由に離婚を決意しました。
当初Aさんは自分で調停を進めようとしていましたが、夫が「家のローンはすべてAさんが払うべき」「子どもには会わせない」などと主張し、話し合いが進まない状況でした。
悩んだ末に弁護士に相談したところ、以下のような支援を受けることができました。
- モラハラの具体的な証拠の集め方をアドバイス
- 正当な財産分与の計算方法を明確に示す
- 住宅ローンの負担方法について法的根拠を元に反論
- 子どもとの面会交流について妥当な提案を準備
弁護士の介入によって、夫側も現実的な条件での話し合いに応じるようになり、結果的に以下の条件で離婚が成立しました。
財産分与 | 預貯金は平等に分割、住宅ローンは収入比率に応じて分担 |
---|---|
親権・養育費 | Aさんが親権を持ち、月7万円の養育費を受け取る |
面会交流 | 月2回の面会と長期休暇中の宿泊を認める |
慰謝料 | 夫からAさんへ100万円の支払い |
このケースでは、弁護士の専門知識と交渉力によって、Aさん一人では到達できなかったであろう公平な条件での合意に至ることができました。
弁護士費用は20〜30万円ほどかかりましたが、結果的に適正な財産分与や養育費を獲得できたことを考えると、十分に価値のある投資だったといえるでしょう。
特に感情的になりがちな離婚問題では、第三者の冷静な視点と専門知識が非常に大きな力になります。

よくある質問
離婚調停に関して読者の皆さんから寄せられる質問とその回答をまとめました。
疑問や不安の解消にお役立てください。
- 離婚調停中に異性と連絡を取ったり会ったりすると不利になりますか?
- 離婚調停の進行が自分に不利な場合、申立てを取り下げることはできますか?
- 離婚調停中の不適切な行動は、その後の裁判にも影響しますか?
- 離婚調停中の子供との過ごし方について教えてください。
- 離婚調停中に別居した場合の生活費はどうなりますか?
- 離婚調停中のLINEやメールのやり取りは証拠として扱われますか?
- 離婚調停で弁護士に相談するタイミングはいつが良いですか?
- 離婚調停中のストレスへの対処法を教えてください。
まとめ
離婚調停中にやってはいけないことを知っておくことは、自分の立場を守るために非常に重要です。
異性との交際、不利になる発言、相手への嫌がらせ、子どもの連れ去りなど、感情に任せた行動が後々あなたを苦しめる可能性があります。
一方で、調停委員との良好な関係構築、詳細な陳述書の準備、客観的な証拠の収集など、有利な結果を得るための積極的な行動も大切です。
離婚は人生の大きな転機であり、一時の感情で判断するには重要すぎる問題です。
特に複雑なケースや対応が難しい場合は、弁護士のような専門家に相談することで、精神的な負担を減らしながら公平な条件での離婚を目指せます。
離婚調停中のさまざまな悩みや不安は尽きないかもしれませんが、この記事で紹介した内容を参考に、冷静な判断と適切な行動を心がけましょう。