離婚届を勝手に出された!今すぐ確認すべき対応策とは?

離婚届を勝手に出された

離婚届を勝手に出されてしまった…そんな事態に直面した方は、不安と怒りで何から手をつけていいか分からないでしょう。

配偶者が一方的に離婚届を提出するケースは、実は珍しくありません。

もし離婚届が勝手に出されたと感じたら、すぐに行動を起こす必要があります。

離婚届は本来、夫婦双方の合意のもとで提出されるべき重要な書類だからです。

離婚届を勝手に出された場合、その効力はどうなるのでしょうか?そして、どのような対応策があるのでしょうか?

この記事では、離婚届が勝手に提出された場合の影響や確認方法、無効にするための手続きについて解説していきます。

離婚届を勝手に出されたという不安な状況でも、適切な対応方法を知っていれば解決への道筋が見えてきます。

目次

離婚届が勝手に提出された場合の影響は?

離婚届を勝手に出されると、思いもよらない事態に陥る可能性があります。

配偶者から何も知らされないまま離婚手続きが進められるというケースは、残念ながら珍しくありません。

まずは、離婚届が勝手に提出された場合にどのような影響があるのか理解していきましょう。

勝手に提出された場合でも離婚は成立する可能性がある

驚くべきことに、離婚届を一方的に提出された場合でも、役所で受理されてしまうことがあります。

日本の離婚届は、原則として夫婦の双方が署名捺印して提出するものです。

しかし現実には、役所の窓口では提出者の身分確認のみが行われ、署名の真偽までは厳密には確認されないことがほとんどです。

つまり、配偶者があなたの署名を偽造して離婚届を提出した場合、役所がその不正に気づかずに受理してしまう可能性があるのです。

離婚届が受理されると、戸籍上は正式に離婚したことになります。

これにより、健康保険や年金などの社会保障制度上の地位が変わったり、相続権に影響が出たりする場合もあります。

離婚届受理による影響具体的な内容
社会保障の変更配偶者の健康保険からの脱退、国民健康保険への加入手続きが必要
住民票の変更世帯分離となり、新たな世帯主となる
相続権の喪失法定相続人としての権利が失われる
氏の変更婚姻時に氏を変えていた場合、旧姓に戻る手続きが必要

離婚届が受理された時点で法律上の夫婦関係は解消されるため、さまざまな法的な問題が発生します。

離婚に同意していない場合は無効にする手続きが必要

もし離婚届を勝手に出され、それが受理されてしまった場合でも、諦める必要はありません。

あなたが離婚に同意していなかった場合、その離婚届は無効となる可能性が高いためです。

日本の離婚制度では、夫婦の合意がない離婚届は法的に無効とされています。

しかし、すでに受理されてしまった離婚届を無効にするためには、あなた自身が積極的に手続きを行う必要があります。

具体的には、家庭裁判所への「離婚無効確認調停」の申し立てが必要になるでしょう。

調停が不調に終わった場合は、「離婚無効確認訴訟」を提起することも検討しなければなりません。

手続きを行わないと戸籍上の離婚状態が続くため、早急な対応が求められます

また、離婚届の偽造は刑法上の「私文書偽造罪」に該当する可能性もあるため、相手に対する法的責任を問うことも可能です。

離婚届を勝手に出されたと気づいたら、まずは法律の専門家に相談することをおすすめします。

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離婚届を勝手に出されたかどうか確認する方法

離婚届が勝手に出されたと疑わしい場合、まずは事実関係を確認することが大切です。

配偶者の言動や態度に不審な点があったり、周囲から「離婚したって聞いたけど」と言われたりした場合は、すぐに調べましょう。

確認方法はいくつかありますが、公的な記録を調べるのが最も確実です。

離婚が受理されると役所から受理通知が送られる

離婚届が受理されると、通常は市区町村役場から「離婚届受理通知」が送られてきます。

この通知は離婚届に記載された住所宛てに郵送されるため、あなたの手元に届く可能性があります。

もし配偶者と別居中で、あなたの現住所を相手が知らないなら、通知は届かない可能性が高いため注意が必要です。

届いた郵便物の中に市区町村からの通知がないか確認してみましょう。

また、最近では自治体によってはマイナポータルなどの電子サービスで通知を確認できる場合もあります。

離婚届受理通知が届いていれば、離婚届が提出され受理されたことの明確な証拠となります。

この通知には離婚届の受理日が記載されており、いつ離婚が成立したと見なされているのかが分かります。

戸籍謄本を取得して確認する方法もある

離婚届受理通知が見当たらない場合は、戸籍謄本を取得して確認するのが確実です。

戸籍謄本には婚姻や離婚などの身分関係の変更が全て記録されています。

戸籍謄本は本籍地の市区町村役場で取得できるほか、最近では郵送やオンラインでの申請も可能です。

戸籍謄本を取得する際には、本人確認書類 (運転免許証やマイナンバーカードなど) が必要になります。

また、戸籍謄本の発行には手数料がかかり、一般的に1通450円程度です。

取得した戸籍謄本に離婚の記載がある場合は、いつ離婚届が受理されたのかが正確に分かります。

確認方法特徴費用
離婚届受理通知の確認自宅に届く公的通知を確認する方法無料
戸籍謄本の取得本籍地の市区町村役場で取得可能約450円/通
住民票の確認世帯構成の変更を確認できる約300円/通
マイナポータル確認電子的に通知を確認できる場合がある無料

離婚届が提出されたという疑いがある場合は、できるだけ早く確認することが重要です

確認が遅れるほど、後の手続きが複雑になったり、時効の問題が生じたりする可能性があります。

もし離婚届が勝手に提出され受理されていることが分かったら、次のステップとして無効にする手続きを検討しましょう。

勝手に提出された離婚届を無効にする手続き

離婚届が勝手に提出され受理されてしまった場合、すぐに行動を起こして無効にする手続きを進める必要があります。

あなたの同意なく提出された離婚届は法的に無効ですが、戸籍上は離婚が成立したままになってしまいます。

そのため、正式な手続きを踏んで離婚の無効を確定させなければなりません。

離婚無効確認調停の申し立てを行う

勝手に出された離婚届を無効にする最初のステップは、家庭裁判所に「離婚無効確認調停」を申し立てることです。

調停とは、裁判所の調停委員を介して当事者間の話し合いによる解決を目指す手続きです。

調停の申し立ては相手の住所地を管轄する家庭裁判所で行います

申し立てには調停申立書の提出と印紙代(1,200円程度)が必要です。

調停申立書には、離婚届が勝手に提出された経緯や事実関係を詳しく記載します。

特に、あなたが離婚に同意していなかったことや署名が偽造されたことなどの重要な事実を明記しましょう。

調停では、あなたが離婚に同意していないことを証明するための証拠を用意すると有利です。

例えば、離婚届提出前後の夫婦間のメールやLINEのやり取り、同居していた証拠などが役立ちます。

必要書類内容・備考
調停申立書家庭裁判所で入手可能、またはウェブサイトからダウンロード
戸籍謄本離婚が記載されたもの(3ヶ月以内に発行されたもの)
証拠資料離婚に同意していないことを示す証拠(メール、LINE履歴など)
本人確認書類運転免許証やマイナンバーカードのコピー

調停は原則として3ヶ月以内に終了するよう進められますが、場合によってはそれ以上の時間がかかることもあります。

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調停で解決しない場合は離婚無効確認訴訟を起こす

調停で合意に至らなかった場合は、次のステップとして「離婚無効確認訴訟」を提起する必要があります。

訴訟は家庭裁判所ではなく地方裁判所で行われ、勝手に離婚届を提出した配偶者を被告として起こします。

離婚無効確認訴訟では、あなたの意思に基づかない離婚届の提出であることを法的に証明します

訴訟を起こすには訴状の提出と印紙代(訴額により異なるが一般的に1万円程度)が必要です。

訴状の作成は専門的な知識が必要なため、弁護士に依頼することをおすすめします。

弁護士に依頼する場合、着手金と成功報酬を合わせて20万円〜30万円程度の費用がかかることが一般的です。

訴訟で勝訴判決を得ると、判決確定後に離婚が無効であることが法的に認められます。

判決書を持って本籍地の市区町村役場に行き、戸籍の訂正手続きを行うことで、戸籍上も婚姻状態に戻ります。

離婚が無効になると、健康保険や年金などの社会保障制度上の地位も元に戻ります。

また、離婚届の偽造が証明された場合は、刑事告訴して相手の刑事責任を問うことも検討できます。

離婚届を勝手に出されて困っている方は、早めに弁護士に相談して適切な対応を取ることが重要です。

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よくある質問

離婚届が勝手に出されたケースについて、多くの方が疑問や不安を抱えています。

ここでは、よく寄せられる質問とその回答をまとめましたので、参考にしてください。

よくある質問
  • 離婚届を勝手に出されないようにする方法はありますか?
  • 相手が離婚届のサインを偽造して出した場合は犯罪になりますか?
  • 離婚届を勝手に出された場合、警察に相談できますか?
  • 離婚届を勝手に出した相手に慰謝料を請求することは可能ですか?
  • 離婚届は必ず夫婦二人で役所に提出する必要がありますか?
  • 勝手に出された離婚届が受理された場合、親権はどうなりますか?
  • 離婚届が勝手に出されたことに気づかず再婚した場合はどうなりますか?
  • 離婚届を勝手に出されたことの確認方法を教えてください。
  • 離婚届を勝手に出された場合の時効はありますか?

離婚届を勝手に出されないようにする方法はありますか?

事前に市区町村役場に「不受理申出」を提出しておくことで防止できます。

この申出をしておくと、一方的に提出された離婚届は受理されなくなります。

有効期間は6か月で、更新も可能です。

相手が離婚届のサインを偽造して出した場合は犯罪になりますか?

はい、他人の署名を偽造する行為は刑法上の「私文書偽造罪」に該当します。

警察に被害届を提出し、刑事告訴することも可能です。

罰則は3年以下の懲役または50万円以下の罰金です。

離婚届を勝手に出された場合、警察に相談できますか?

署名偽造の疑いがある場合は警察に相談できます。

ただし、民事上の問題は家庭裁判所での対応が中心となるため、まずは弁護士に相談することをおすすめします。

離婚届を勝手に出した相手に慰謝料を請求することは可能ですか?

可能です。署名偽造など不法行為による精神的苦痛に対して慰謝料請求ができます。

また、それによって生じた実質的な損害についても賠償請求できる場合があります。

離婚届は必ず夫婦二人で役所に提出する必要がありますか?

いいえ、日本の制度では片方の配偶者だけでも離婚届を提出できます。

ただし、双方の署名・捺印が必要です。

このシステムが悪用される可能性があるため注意が必要です。

勝手に出された離婚届が受理された場合、親権はどうなりますか?

離婚届には親権者の記載が必要です。

勝手に出された場合、相手が親権者として記載している可能性が高いですが、離婚が無効となれば親権の指定も無効になります。

離婚届が勝手に出されたことに気づかず再婚した場合はどうなりますか?

もし前婚が無効となった場合、重婚状態となる可能性があります。

この場合、後婚の取り扱いについては複雑な法的問題が発生するため、専門家の助言を求めることが重要です。

離婚届を勝手に出されたことの確認方法を教えてください。

戸籍謄本を取得して確認するのが最も確実です。

また、市区町村役場に問い合わせる方法もあります。

マイナンバーカードがあれば、コンビニでも戸籍謄本を取得できる自治体もあります。

離婚届を勝手に出された場合の時効はありますか?

離婚無効確認の訴えに関する明確な時効はありませんが、長期間経過すると証拠収集が困難になります。

また、不法行為に基づく損害賠償請求権は原則として3年で時効となるため、早めの対応が重要です。

まとめ

離婚届を勝手に出されるという事態は、決して珍しくはなく、実際に多くの方が経験しています。

もし離婚届が勝手に提出された疑いがある場合は、まず戸籍謄本を取得して事実確認を行いましょう。

勝手に提出された離婚届が受理されていた場合でも、家庭裁判所での調停や訴訟を通じて無効にすることが可能です。

早期に対応することで、社会保障制度上の不利益を最小限に抑えることができます。

また、将来的な対策として「不受理申出」の制度を利用することで、勝手に離婚届が提出されるリスクを防ぐことも検討してみてください。

離婚届の偽造は犯罪行為となる可能性があるため、必要に応じて警察への相談や刑事告訴も視野に入れるとよいでしょう。

このような問題に直面した際は、一人で悩まず、専門家である弁護士に相談することをおすすめします。

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