生活費をくれない夫に困ったら?法的対応と離婚までの流れを解説

夫から生活費をもらえない状況で悩んでいませんか?
家計のやりくりに困り、夫に生活費を要求しても「お金がない」「自分で何とかしろ」と突き放されるケースは珍しくありません。
実はこのような行為は「経済的DV」に該当する可能性があり、法的に対処できる問題です。
夫が生活費をくれないという悩みは、専業主婦だけでなく共働き家庭でも起こりうる深刻な問題です。
この記事では、生活費をくれない夫への対応策や、最終的に離婚を選ぶ場合の手続きについて解説していきます。
一人で悩まず、具体的な解決策を見つけていきましょう。
あなたには法的に守られる権利があります。
旦那が生活費を渡さない行為は経済的DVに該当する
結婚生活において、夫が生活費を渡さないという問題で悩む女性は少なくありません。
「お前の稼ぎで何とかしろ」「俺のお金に手を出すな」などと言って生活費をくれない夫の態度は、単なる性格の問題ではなく、法的に問題視される行為です。
配偶者から生活費を渡されない状況は、夫婦関係における経済的DVの典型例とされています。
経済的DVと認められる基準
経済的DVとは、配偶者が経済力を利用して相手をコントロールしようとする暴力の一種です。
生活費をくれない夫の行為が経済的DVに該当するかどうかは、いくつかの基準で判断されます。
経済的DVに該当する具体的な行為には、生活費を渡さない、家計の管理を独占する、収入や支出を隠す、妻の就労を妨げるなどが含まれます。
特に重要なのは、夫が十分な収入があるにもかかわらず、意図的に生活費を渡さない場合は明らかに経済的DVと判断される点です。
例えば、夫が月に40万円の収入があるのに、妻や子どもの生活費として1万円しか渡さないようなケースは典型的な経済的DVです。
さらに、「お金をほしければ〇〇しろ」と条件を付けたり、細かい家計の報告を強要したりする行為も経済的DVの一種と考えられます。
経済的DVの種類 | 具体例 |
---|---|
生活費の拒否 | ・十分な収入があるのに生活費を渡さない ・必要最低限の生活費しか渡さない |
経済的支配 | ・家計の収支を全て管理し、妻に報告義務を課す ・妻の収入を勝手に使う |
経済的妨害 | ・妻の就労を妨げる ・妻名義でローンを組ませる |
経済的脅迫 | ・お金を渡す条件を提示する ・お金を渡さないと脅す |
経済的DVは目に見えない暴力であるため、周囲に相談しづらく長期化しやすい特徴があります。
しかし、このような状況は法的に保護される権利侵害であることを認識することが大切です。
共働きでも夫が生活費を出さないことは経済的DVとなる
「妻も働いているのだから、生活費は折半すべき」と考える夫も少なくありません。
しかし、共働き家庭であっても、夫婦間の収入差や家事・育児の負担を考慮せずに生活費を出さない行為は経済的DVに該当する可能性があります。
民法第760条では「夫婦は同居し、互いに協力し扶助する義務を負う」と定められており、この扶助義務には経済的な援助も含まれています。
つまり、共働きであっても、収入に応じた生活費の負担が法的に求められているのです。
例えば、夫の月収が40万円で妻の月収が15万円の場合、単純に折半するのではなく、収入割合に応じた負担(約7:3の割合)が適切とされます。
また、妻が育児や家事も担っている場合は、その労働も家計への貢献として評価されるべきです。
共働き家庭で「自分のお金は自分のもの」という考えを押し通し、家庭の共通費用を負担しない夫の行為は、経済的DVの一形態と考えられます。
このような状況に悩んでいる場合は、まず夫婦間で話し合いを試みることが大切ですが、改善が見られない場合は法的な対応も検討する必要があるでしょう。

生活費を渡さない夫を説得する方法
夫が生活費をくれないという問題に直面したとき、まずは冷静な話し合いから始めるのが理想的です。
いきなり離婚や別居を考える前に、まずは夫を説得するための効果的な方法を試してみましょう。
生活費を支給する義務について説明する
多くの夫は、生活費を渡すことが法的義務であることを知らないケースがあります。
冷静な話し合いの場を設け、民法に基づく夫婦間の扶助義務について説明してみましょう。
民法第760条では「夫婦は同居し、互いに協力し扶助する義務を負う」と定められており、生活費の分担はこの扶助義務に含まれます。
この法律上の義務を理解してもらえれば、生活費を渡さない行為が単なる性格の問題ではなく、法的な問題であることが伝わるでしょう。
「お金は自分のもの」という考えを持つ夫に対しては、結婚は経済的にも一つの単位であり、共同生活には共同の負担が必要だと丁寧に説明してみてください。
また、生活費を渡さない行為が経済的DVに該当し、離婚理由になり得ることも伝えることで、事態の深刻さを認識してもらえるかもしれません。
ただし、こうした説明をする際は感情的にならず、事実に基づいて冷静に話し合うことが重要です。
家計簿を提示して家計の実情を理解してもらう
夫が生活費をくれない背景には、家計の実情を理解していない可能性があります。
具体的な数字で示すことで、家庭を維持するために必要な費用を明確に伝えることができるでしょう。
家計簿や請求書などを用意し、食費・光熱費・子どもの教育費など具体的な支出項目と金額を示すことで、生活費の必要性を視覚的に理解してもらいましょう。
例えば、月々の食費が7万円、光熱費が3万円、子どもの教育費が5万円など、実際の数字を示すことで、生活費がどれだけ必要かを具体的に伝えることができます。
また、自分の給料だけではこれらの費用をまかなえないことを説明し、夫の収入からの負担が不可欠であることを理解してもらいましょう。
ただ単に「お金がほしい」と言うのではなく、何にいくら必要なのかを明確に示すことで、夫の理解を得やすくなります。
項目 | 平均的な月額(4人家族の場合) |
---|---|
食費 | 70,000円~80,000円 |
光熱費 | 25,000円~35,000円 |
住居費(ローン・家賃) | 80,000円~120,000円 |
通信費 | 15,000円~20,000円 |
子どもの教育費 | 30,000円~50,000円 |
医療費 | 5,000円~15,000円 |
その他雑費 | 20,000円~30,000円 |
夫婦で財布を共有する提案をする
生活費の管理方法として、夫婦で財布を共有する方法を提案してみるのも一つの方法です。
共有口座を作り、二人の収入から一定額を入金して家計費用に充てる仕組みを作ることで、お金の管理を透明化できます。
夫婦の収入に応じた割合で共有口座に入金する方法は、公平感があり、多くの夫婦が採用している家計管理の方法です。
例えば、夫の収入が70%、妻の収入が30%の場合、家計費用もその割合で負担するという形です。
また、専業主婦の場合は、夫の収入から生活に必要な金額を共有口座に入れ、その口座から家計費用を支払う方法が考えられます。
「自分のお金」「妻のお金」という区別をなくし、「家族のお金」という意識を持つことで、生活費をめぐる問題解決につながるかもしれません。
ただし、財布の共有に関しては夫の理解と協力が必要なので、強制するのではなく、メリットを説明しながら提案することが大切です。
このような話し合いを何度か試みても、夫が生活費を渡さない状況が改善されない場合は、次のステップとして外部の支援を求めることを検討しましょう。
夫が説得しても生活費を渡さない場合の対応策
話し合いや説得を何度試みても夫が生活費を渡さない場合は、より具体的な対応策を検討する必要があります。
自分一人で抱え込まず、外部の力を借りたり法的手段に訴えたりすることで解決の糸口が見つかることもあります。
親族や公的支援機関に相談する
夫婦間での解決が難しい場合、まずは身近な第三者に相談することを検討しましょう。
信頼できる親族や友人に相談することで、精神的な支えになるだけでなく、客観的なアドバイスを得られる可能性があります。
特に、夫の両親や兄弟など、夫が信頼している人から話をしてもらうことで、状況が改善するケースもあります。
また、各自治体の「配偶者暴力相談支援センター」や「女性相談センター」などの公的機関も頼りになる存在です。
経済的DVの相談も受け付けており、専門のカウンセラーから適切なアドバイスを受けることができます。
法律的な相談であれば、法テラスや各地の弁護士会が行っている無料相談も利用価値があります。
相談先 | 特徴 | 連絡方法 |
---|---|---|
配偶者暴力相談支援センター | DVに関する専門的な相談が可能 | 各都道府県・市区町村に設置 |
女性相談センター | 女性特有の悩みに対応 | 各自治体のホームページで確認 |
法テラス | 法律相談や弁護士紹介が可能 | 電話:0570-078374 |
各地の弁護士会 | 専門家による法律相談 | 地域の弁護士会に問い合わせ |
別居を開始して婚姻費用を請求する
生活費をくれない状況が続き、夫婦関係の修復が難しい場合は、別居という選択肢も考えられます。
別居することで、物理的な距離を置きながら冷静に今後の関係を考える時間を持つことができます。
別居中でも、法律上の夫婦関係は継続しているため、「婚姻費用」と呼ばれる生活費を夫に請求する権利があります。
婚姻費用の額は双方の収入や生活水準、子どもの有無などによって変わりますが、裁判所が公表している算定表を参考にできます。
例えば、夫の手取り収入が月30万円で妻に収入がない場合、婚姻費用は月に9〜10万円程度が目安になります。
子どもがいる場合は、その人数や年齢に応じてさらに金額が加算されます。
別居を開始する際には、生活費や住居の確保など事前の準備が必要です。
突然の別居は難しい場合もあるので、計画的に進めることが大切でしょう。

内容証明郵便で生活費を要求する
法的な手続きの第一歩として、内容証明郵便で正式に生活費を要求する方法があります。
内容証明郵便とは、いつ、どのような内容の文書を相手に送ったかを公的に証明できる郵便サービスです。
内容証明郵便を送ることで、生活費の支払いを正式に要求したという証拠になり、今後の法的手続きの際に有利に働くことがあります。
内容証明郵便には、以下のような内容を記載するとよいでしょう。
- 現在の生活状況と経済的困窮の実態
- 民法上の扶助義務に基づく生活費支払いの要求
- 希望する生活費の金額と支払い方法
- 支払期限(通常は2週間程度)
- 支払いがない場合の法的措置の予告
内容証明郵便は郵便局で手続きできますが、文面の作成は弁護士に依頼すると法的な効果が高まります。
弁護士名での通知は相手に与える心理的影響も大きく、解決への第一歩になることが多いです。
婚姻費用分担の調停を申し立てる
内容証明郵便を送っても夫が応じない場合は、家庭裁判所に「婚姻費用分担請求調停」を申し立てることができます。
調停とは、裁判所で第三者(調停委員)が間に入り、話し合いによる解決を目指す手続きです。
調停は裁判より簡易な手続きで、比較的短期間で結論が出ることが多く、費用も安く抑えられるメリットがあります。
調停の申立ては、夫の住所地または夫婦の最後の共同生活地を管轄する家庭裁判所で行います。
申立ての際には、戸籍謄本や収入を証明する書類(源泉徴収票など)が必要です。
調停で合意に至れば「調停調書」という形で決定され、これには判決と同等の効力があります。
つまり、夫がこの調停調書に基づく婚姻費用の支払いを怠れば、強制執行の手続きをとることも可能になります。
もし調停で合意に至らない場合は、「婚姻費用分担請求訴訟」という裁判に移行することもできます。
法的な手続きは複雑なため、可能であれば弁護士に相談しながら進めることをおすすめします。
弁護士費用の目安についてはこちらの記事をご参照ください。

生活費を渡さない夫と離婚する際の手続きの流れ
生活費をくれない状況が続き、改善の見込みがない場合、最終的には離婚を検討することになるかもしれません。
離婚は大きな決断ですが、経済的DVが続く状況では有効な解決策となる場合もあります。
ここでは、生活費を渡さない夫と離婚する際の基本的な手続きの流れを解説します。
①まずは夫婦間で離婚協議を進める
離婚手続きの第一ステップは、夫婦間での話し合い(協議離婚)です。
双方が離婚に合意すれば、協議離婚という最もシンプルな方法で離婚が成立します。
協議離婚では、離婚届に双方が署名・捺印して役所に提出するだけで法的に離婚が成立しますが、その前に重要な条件について合意しておく必要があります。
協議離婚で決めておくべき主な事項は以下の通りです。
- 親権者の決定(子どもがいる場合)
- 養育費の金額と支払い方法
- 財産分与の内容
- 慰謝料の有無と金額
- 面会交流の頻度や方法
生活費をくれなかったという事実は、経済的DVとして離婚の理由になるだけでなく、慰謝料請求の根拠にもなり得ます。
協議離婚の場合でも、口頭での合意だけでなく「公正証書」などの形で書面に残しておくことが重要です。
将来的なトラブルを防ぐため、離婚条件については弁護士のアドバイスを受けながら進めることをおすすめします。
②協議が成立しない場合は調停離婚・裁判離婚へ移行する
夫婦間の話し合いで合意に至らない場合は、家庭裁判所での調停(調停離婚)に移行します。
調停では、裁判所の調停委員が間に入って話し合いを進め、合意形成を手助けします。
生活費を渡さない行為は民法第770条の「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当する可能性が高く、調停や裁判でも有利に働くケースが多いです。
調停の申立ては、相手の住所地を管轄する家庭裁判所に行います。
必要な書類は、調停申立書、戸籍謄本、住民票などで、申立費用は1,200円程度です。
調停でも合意に至らない場合は、最終的に裁判(裁判離婚)へと進みます。
裁判離婚では、裁判官が証拠に基づいて判断を下し、判決という形で離婚の可否や条件が決まります。
裁判では、生活費を渡さなかった証拠(通帳記録、やりとりのメッセージなど)が重要になるため、日頃から証拠を集めておくことが大切です。
離婚方法 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
協議離婚 | 当事者間の合意のみで成立 | 時間と費用が最小限 プライバシーが保たれる | 専門家の介入がない 不利な条件で合意するリスク |
調停離婚 | 裁判所の調停委員が仲介 | 専門家が関与する 比較的短期間で解決可能 | 裁判所に出向く必要がある 合意できないと成立しない |
裁判離婚 | 裁判官の判決で決着 | 相手の同意なく離婚可能 法的に適正な判断 | 時間と費用がかかる 感情的な負担が大きい |
どの離婚方法を選ぶにしても、経済的DV被害者としての権利を守るため、早い段階で弁護士に相談することをおすすめします。
特に生活費を渡さなかった夫との離婚では、将来の経済的安定のために養育費や財産分与、慰謝料などの条件を適切に設定することが重要です。
生活費をくれない夫と離婚を考える際の注意点
生活費をくれない夫との離婚を検討する場合、いくつかの重要な注意点があります。
後悔のない決断をするためにも、法的な権利や将来の生活設計について事前に理解しておくことが大切です。
夫が離婚の原因を作ったことを証明する証拠を収集する
生活費をくれない夫と離婚する場合、夫側に離婚原因があることを証明できる証拠があると有利になります。
特に調停や裁判での離婚を視野に入れている場合は、計画的な証拠集めが重要です。
経済的DVの証拠としては、生活費の要求を記録したメールやLINEのやりとり、家計簿、通帳の記録などが効果的です。
例えば、「生活費が足りないので振り込んでほしい」というメッセージに対して、夫が拒否する返信をしていれば有力な証拠になります。
また、生活費の振込履歴がない通帳記録や、生活必需品が買えずに困っている状況を記録した日記なども証拠になります。
さらに、経済的に困窮した結果、公的支援を受けたり借金をしたりした記録も状況を証明する証拠として役立ちます。
証拠集めの際は、以下の点に注意しましょう。
- 日付が分かるように記録する
- 電子データはバックアップを取っておく
- 第三者(親族・友人など)の証言も有効
- 相手に証拠集めを悟られないよう注意する
婚姻費用や慰謝料の請求もできる
生活費をくれない夫との離婚では、経済的な補償を求める権利があることを知っておきましょう。
離婚時には主に以下の3つの経済的請求ができます。
生活費を渡さなかった期間の婚姻費用の請求、経済的DVを理由とした慰謝料の請求、そして結婚生活で築いた財産の分与を請求することが可能です。
婚姻費用は、過去に支払われるべきだった生活費を遡って請求できます(通常は請求時から過去2年分)。
慰謝料については、経済的DVという精神的苦痛を与えた行為に対する賠償として請求でき、状況によっては50〜300万円程度認められるケースもあります。
財産分与は、結婚期間中に夫婦が協力して築いた財産を公平に分ける制度で、原則として半分ずつとされています。
これらの請求は離婚協議の段階から主張し、調停や裁判でも継続して求めていくことが重要です。
請求の種類 | 内容 | 請求できる期間 |
---|---|---|
婚姻費用 | 夫婦の収入に応じた生活費 | 過去2年分まで遡及可能 |
慰謝料 | 精神的苦痛に対する賠償 | 離婚時に一括請求 |
財産分与 | 婚姻中に形成された財産の分配 | 離婚成立後2年以内 |

弁護士に交渉を委託するのも一つの方法
生活費をくれない夫との離婚では、専門家である弁護士に交渉を委託することも検討すべき選択肢です。
特に経済的DVのケースでは、自分で交渉すると精神的な負担が大きいことも多いです。
弁護士に依頼することで、法的知識に基づいた適切な主張や交渉が可能になり、より有利な条件での離婚が期待できます。
弁護士に依頼するメリットには以下のようなものがあります。
- 感情的にならず冷静な交渉ができる
- 法的根拠に基づいた適切な請求額を設定できる
- 調停や裁判での手続きをスムーズに進められる
- 相手に心理的なプレッシャーを与えられる
弁護士費用は一般的には着手金と成功報酬の2段階制で、金額は地域や事務所によって異なりますが、20万円〜50万円程度が目安です。
経済的に余裕がない場合でも、法テラスの民事法律扶助制度を利用すれば、弁護士費用を分割払いにすることも可能です。
また、初回無料相談を実施している弁護士事務所も多いので、まずは相談してみることをおすすめします。
ただし、弁護士に依頼する際は、経済的DVや離婚問題に詳しい弁護士を選ぶことが重要です。
初回相談時に、これまでの経済的DV案件の取扱実績や解決事例について質問してみるとよいでしょう。
離婚を決める前に別居婚を考慮する
生活費をくれない夫との関係を見直す際、即座に離婚という選択をする前に「別居婚」という選択肢も検討してみる価値があります。
別居婚とは、法律上は婚姻関係を維持したまま別々に暮らす形態のことです。
別居婚は、即座に離婚を選択することにためらいがある場合や、子どもへの影響を考慮したい場合に、中間的な解決策として機能することがあります。
生活費をくれない夫との関係では、別居することで心理的な距離を置きながら、法的には婚姻費用を請求できるという大きなメリットがあります。
夫婦間の問題が経済的DVに限定されている場合は、別居しながら婚姻費用の支払いが安定すれば、関係の再構築につながる可能性もあります。
また、離婚に踏み切る前の冷却期間として別居期間を設けることで、感情に任せた決断を避け、より冷静な判断ができるようになるでしょう。
別居婚を選択する際のポイントは以下の通りです。
- 別居開始時に婚姻費用について明確な取り決めをする
- 別居の期間や目的(再構築か離婚準備か)を明確にする
- 子どもがいる場合は面会交流の方法を決めておく
- 別居中の通信手段や連絡頻度について合意しておく
ただし、別居婚にはデメリットもあることを認識しておく必要があります。
経済的には二重生活による出費増加や、夫が婚姻費用を支払わないリスクがあります。
また、長期間の別居状態が続くと、いずれ「別居状態が固定化」として離婚事由になり得ることも知っておくべきでしょう。
別居婚を選択する場合でも、将来の離婚の可能性を視野に入れて証拠集めを継続し、法的手続きの準備をしておくことをおすすめします。
別居婚のメリット | 別居婚のデメリット |
---|---|
・心理的な距離を置ける ・冷静に状況を考えられる ・婚姻費用を請求できる ・離婚よりもハードルが低い | ・二重生活で経済的負担が増える ・婚姻費用が支払われないリスク ・子どもへの影響がある ・状況が長期化する可能性 |
別居婚を選択するかどうかは、経済状況や子どもの有無、夫婦関係の修復可能性など、個々の状況によって異なります。
どのような選択が最適かを判断するためにも、弁護士や専門家への相談を検討してみてください。
よくある質問
生活費をくれない夫への対応について、読者の皆さまからよく寄せられる疑問にお答えします。
具体的な悩みや状況は人それぞれですが、基本的な考え方や対処法を知ることで解決の糸口が見つかるかもしれません。
- 共働きでも夫が生活費をくれない場合はどう対処すればいいですか?
- 生活費をくれない夫の行為はモラハラやDVに該当しますか?
- 生活費を渡さない夫と離婚する場合の慰謝料請求について教えてください。
- 旦那が最低限のお金しかくれない場合の対応策を教えてください。
- 生活費をもらえない状況は専業主婦の場合どこに相談すべきですか?
- 夫に言わないと生活費をくれない場合の心理的背景について教えてください。
- 生活費を入れない夫と別居する際の法的手続きはどうなりますか?
- 食費すら渡してくれない旦那に対して妻はどんな法的請求ができますか?
まとめ
生活費をくれない夫との関係に悩んでいる方に向けて、その対処法や解決策について解説してきました。
夫が生活費を渡さない行為は単なる性格の問題ではなく、経済的DVに該当する可能性が高い法的問題です。
まずは冷静な話し合いや家計の実態を示すなどの説得を試み、それでも改善されない場合は、法的手段を検討することが大切です。
具体的な対応策としては、親族や公的機関への相談、別居と婚姻費用の請求、内容証明郵便の送付、調停の申立てなどが考えられます。
離婚を選択する場合も、証拠の収集や婚姻費用・慰謝料の請求など、自分の権利を守るための準備が重要です。
すぐに離婚を決断するのではなく、別居婚という選択肢を検討することで、冷静に状況を判断する時間を持つこともできます。
どのような選択をするにしても、一人で悩まず専門家に相談することで、より適切な解決方法が見つかるでしょう。
あなたには法律で守られる権利があります。
経済的DVから解放されて、より健全な生活を取り戻すためにも、勇気を持って行動してください。